アイスバス その3

アイスバスについての研究

アイスバスについての研究を調べてみると、冷水に浸す研究と温冷交替浴を行なうものがあります。

2008年の研究では、サイクルロードレースのステージレースの様な短時間で高負荷の運動が繰り返される競技で実験がされました。
サイクリストに1週間激しいトレーニングをさせ、トレーニング後に4種類のリカバリーメニューを用意しました。

1.15℃の冷水に14分浸かる。
2.38度のお湯に14分浸かる。
3.1分毎に温冷交替浴を行なう。
4.14分間完全休養。
その結果スプリント能力とタイムトライアル能力については、1と3のアイスバスと温冷交替浴を実施したサイクリストの方が良い結果を出しました。
2のお湯に浸かった選手と4の完全休養のみのサイクリストは能力が低下しました。
その一方で、アイスバスが現実的には利益をもたらさなかったという研究もあります。
激しいウエイトトレーニングの後ではむしろ筋肉痛が増したというものもあります。身体の柔軟性や腫れな
どの物理的な指標においては違いがないと言う報告もあります。立ったり座ったりの時の痛みはリカバリープログラムとして
ぬるま湯に浸かった時より少ないという報告もあります。また、アイスバスに入ると等尺性運動、痛み、腫れにおいては次の日は
筋肉痛を感じることがあります。

アイスバスについてはまだ分かっていないことが多く、これから更にもっと研究がされるでしょう。
今までの研究結果を総合すると
・ハードトレーニングの後にアイスバスに入ることでケガに繋がることはない。むしろリカバリーを促進させます。
・温冷交替浴も回復を促進します。
・氷を入れたアイスバスは必ずしも必要ではなく、24℃程度でも良いのではないか。
・アイスバスはアクティブリカバリーと同程度の効果があるでしょう。
・反対に激しい運動の後に温かい風呂に入るのは回復時間を早めることもある、という人もいます。

アイスバスの具体的な方法

では、どのようにアイスバスを行なうと良いのでしょうか?

アイスバスの場合

  • 無理して冷たすぎる温度に長い時間浸かる必要はありません。
  • 15℃の水に10分間浸かれば回復が早まります。この程度の温度と時間であれば風邪を引いたり、凍傷になったりというような他のリスクを負うこともありません。

温冷交替浴の場合

  • 10℃~15℃の水に1分、37℃~40℃のお湯に1分を3回繰り替えしてください。

将来的に科学的な研究結果がアイスバスの有効性を証明するかしないかは現在は分かりません。

しかし、激しいトレーニングの後にアイスバスに入ることは回復を促進し、ケガを防ぎ、そして心地よいというのは紛れもない事実です。
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